戦略的工場経営ブログカイゼン、カイゼンでイノベーションを加速する
イノベーションへつながる改善活動になっていますか?
1.新型プリウス開発で改めて知ったトヨタのスゴイところ
2015年12月に発売された トヨタ自動車の新型プリウス(4代目)の売れ行きが好調です。 発売してから約1カ月で受注が約10万台に達しています。 トヨタ自動車が設定していた月間の販売台数の目標は 1万2000台だったので、その9倍近い注文があったことになります。 なんでも、現時点で注文しても納車まで7か月程度かかるとの話です。 注文してから半年も待ってやっと納車される・・・・・・。 なんともスゴイ売れ行きです。 まさに消費者のココロにガンガン響く「コト」を届ける商品ということです。 納期がここまで遅くなっても、 欲しい!!と消費者に言わせてしまう商品を作り上げるトヨタもほんとうにスゴイ。 モノづくりに携わる我々も、 小回りが利く中小の良さを生かし、高付加価値商品を開発、付加価値の創出を実現したいです。1-1 カイゼンの積み重ねで燃費向上を達成した新型プリウス
この新型プリウスの開発を担当したトヨタ製品企画本部のチーフエンジニア豊島浩二氏は 次のように語っています。「”もっともっと”というトヨタのカイゼンの精神がこのクルマには詰まっている」カイゼンの積み重ねで魅力ある製品に仕上げることができた。 自動車は3万点程度の部品を組み合わせて作られていると言われます。 この一つ一つを見直して最高のモノを作り上げました。 このことは燃費の推移からも理解できます。 1997年に販売された初代プリウスの燃費が約30km/Lに対し、 この4代目プリウスの燃費は約40km/Lです。 この燃費向上は複数の技術が寄与した結果です。 ・高張力鋼板やアルミ合金の採用を拡大 ・エンジンの燃焼効率を向上 ・トランスミッションとデファレンシャルギアの一体化 ・パワーコントロールユニット、モーター、駆動用バッテリーの小型化 ・空気抵抗係数を向上させるフロントピラーや車体下部の構造最適化 等々・・・・・・。 多くの技術を積み重ねて、40km/L台の燃費を達成しました。 さらに注目すべきことは、 こうした技術開発が2つの制約条件のなかで達成されたという事実です。 ・ひとつは標準化されたプラットホーム(車台)を使わねばならなかったこと ・そして、もうひとつは設備投資を従来の半分にしなければならなかったこと こうした2つの制約条件の中で開発されたのが4代目の新型プリウスです。(出典:日経モノづくり 2015年11月号)