戦略的工場経営ブログ判断基準を設定して評価の客観性を高める

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判断基準を設定して評価の客観性を高める。 現場のやる気を引き出す、という話です。  

1.経営者の想いが反映された判断基準がやる気の源

「受注が多くて、毎日、残業、残業でたいへん!」 「最近、売上が減ってきて、現場が暇になって、どうしたものか・・。」   「新しい機械を入れたけど、安定して稼働しなくてねぇ。」 「最近、ベテランが退職して、人員が不足気味で大変だよ。」   経営者は様々な評価をしています。 売上視点であったり、設備投資視点であったり、人材視点であったり。 そして、現場に対しても、言葉にしようとしまいと、評価を下しています。 現場に対して、日々、なんらかの印象を抱きますよね。 それです。   経営者が下す評価の「判断基準」がはっきりしている現場は「強い」です。 現場は経営者の考えを把握できているからです。   何をすれば経営者は喜ぶのか? どうすれば想いを実現できるのか? 現場は知っているわけです。 ベクトルが揃っています。     経営者が思っている以上に、現場に届く情報は限られています。 経営者が考えているほどに、現場は経営者のことを理解できていません。 現場は経営者のことを知りたがっているのです。   そこで、経営者の考えが現場へ届くよう環境整備したらどうなるでしょう。 現場が経営者と同じことを感じ取れたらどうなるでしょう。   現場の事は現場が良く知っています。 経営者と同じことを感じ取れたら、現場はアクションを必ず起こします。 現場は自律性を発揮するのです。   signs-1172209_640 経営者の想いを反映させた判断基準があれば、現場はすぐに動けます。 判断基準に沿って評価されることも、現場は知っています。 したがって、判断基準は、現場が自発的に動くきっかけを与えます。 経営者が、わざわざ、都度、現場へ指示しなくてもいいのです。 判断基準が現場を動かします。   また、判断基準は現場の自律性を促します。 現場は自分の仕事を自らコントロールする状態に至ります。 自律性は現場からやる気を引き出すのです。 判断基準が示され、仕事を任されると現場は最高のパフォーマンスを示します。   ・一方的に上司から指示される業務。 ・自ら判断して進める業務。 どちらに創造性を期待できるでしょうか?   判断基準を設定し、やる気を引き出します。 客観性は公平さや公正さを担保するのです。 経営者の想いが反映された判断基準の客観性がやる気の源になります。   e3c9afb8fa0c923ce7c1e03647d69b68_s    

2.部分最適化と全体最適化の判断基準

判断基準は指標として定量化されています。 工程を分析して、生産活動の良し悪しを判断する指標を整理します。   判断基準の視点は2つあります。 ・各工程毎を判断する部分最適の視点 ・工場全体を判断する全体最適の視点   最終的には全体最適の視点です。 ただし、個別具体的には部分最適の視点です。 工場のパフォーマンスを部分と全体で測ります。   以下の工程指標があります。 一日あたりの生産数量 人工数 費用 生産性 原単位 残業時間 等々。 貴社の生産現場を評価するのに適した工程指標を選択します。      

3.付加価値を全体最適の判断基準とする

儲かる工場経営では、全体最適の指標に付加価値を使います。 付加価値だけは、業種業態にかかわらず共通です。   理由は3つです。 1)現場の活動結果を反映させやすく、現場で管理できるから。 2)キャッシュの源である利益に繋がる数字であるから。 3)特に、将来投資の原資であるから。   付加価値は現場の成果物です。 それらを経営者が分配します。 経営者の想いが反映されます。 分配先は利益と将来投資です。   そして、将来投資の中に従業員給料アップの原資が含まれます。 経営者の判断基準に客観性はここへ影響するのです。 経営者の想いが反映された判断基準の客観性がやる気の源になる所以がここにあります。       目標の付加価値を具体化します。 これは経営者が決めた判断基準です。 目標の付加価値を積み上げることに寄与するか否か。 現場はそう考えます。   付加価値は昇給分も含んだ将来投資の源泉です。 したがって、現場は数値を見て経営者の想いを理解します。 「社長は我々の将来を考えてくれているのだ。」   すると現場の発想が変わります。 利益は結果として出るものではなく、付加価値を積み上げて獲得するものだ。 経営者の想いを理解した現場は前向きです。      

4.男女別の平均給与の推移

付加価値に関連して、男女別の平均給与の推移を示します。 (出典:国税庁 民間給与実態統計調査結果)   図8 図5 上段が、男性、下段が女性の結果です。 大企業から中小企業含めての”平均”です。 注目したいのは、増減の推移、伸び率の推移です。 伸び率の推移で気が付くことがあります。   平成バブル崩壊後、伸び率が大きく減少(あるいはマイナス)しています。   世の中の給与水準の変化はこうでした。 さて、貴社ではどの様に推移し、今後、どのレベルを目指しますか? 付加価値で判断し、将来を見通すことができます。   貴社のそれが、増加傾向を維持しているなら、素晴らしいことです。 客観的な数字を活用し、貴社の望ましい姿を描くことができます。   客観的な判断基準があればこそです。 こうした数値を現場と共有します。 やる気を引き出せます。   まとめ。 判断基準を設定して評価の客観性を高める。 現場のやる気を引き出す
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