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貴社では人手不足で品質活動が疎かになりますか?

1.人手不足だから品質問題が発生したのか?

国内製造企業の強みであり、

これからも強みでありつづける

であろう品質への信頼性を毀損する出来事が、昨今、大手製造企業で多発しています。

 

いろいろな背景があると推察されますが、

現場の人手不足もその一因にあるとの報告がなされているようです。

 

収益目標必達をはじめ、

やるべきことが増えているのに、

現場の人員を増やすことなく今日に至り、

現場が疲弊したためであるとの解説をしばしば目にします。

しかし、人手不足云々という解説には違和感を感じます。

 

人手不足は大手のみの問題ではなく、中小含めて製造業全体の問題だからです。

特に中小の現場で直面する問題であり、人材確保は従来から大きな課題となっています。

 

だからと言って、

中小製造企業が品質を

おろそかにしていいという話はないですし、

下請け型の事業を展開しているなら、

親会社の信頼を裏切るトラブルは企業の命脈が尽きることにつながりかねません。

 

スマートさはないかもしれませんが、

経営者層が先頭に立って品質の砦を守っているのが中小現場です。

 

 

 

私自身、中小現場の管理者時代、品質クレームを起こしたことがあります。

数万個の製品を対象にした

選別作業から始まって、

顧客からの信頼回復と、対策に膨大なエネルギーを費やしました。

 

そもそも、

人員が潤滑にいるわけでもなく、

そうした中で、生産活動も並行しながら、品質活動をやらねばなりません。

 

今でも、

そのときのことを思い出すと冷汗が出ますが、

2度と起こすまいという気持ちになったものです。

 

そこで、当時、現場へ指示したことがあります。

「品質に関連して疑わしいことがあったら、全て連絡すること。自分で判断をしないこと。」

 

ただ、これは言うは易く、やり難いことでした。

この指示のあと、多くの情報が現場から届きました。

責任を持って、あらゆる状況に対応しなければなりません。

従来まで、現場任せになっていたことも、白黒はっきりさせる必要があるのです。

たいへんでしたが、

現場管理者がやらねばならないこととして、現場といっしょに踏ん張りました。

 

こちらは、下請け型の業務を顧客へ提供している立場です。

対策をしております、2度と起こしません、

と決意の程を顧客へ伝えている矢先に、

¥同じようなクレーム

を起こしてしまおうものなら、それこそ、最悪の事態も考えられました。

そんな状況であり、当時は必死でした。

 

人手が足りないとか、四の五の言っている暇はありません。

そして、現場の頑張りもあって、

なんとか乗り切り、

引き続き顧客との良好な関係を維持することができたのです。

 

 

 

 

 

2.経営者が先頭に立つ。

品質はできてあたりまえ、

できなかったら大問題

という性質のものですから、

管理者と現場の日頃の意思疎通が大切なことだと痛感しました。

 

現場の文化や風土が影響すると考えています。

異常に違和感を感じ、

使命感を持って、

適切に、

異常情報を経営者層へ報告できる現場と

その報告を全身で受け止める経営者層

との一体感なければ、「できて当たり前の品質」はできません。

 

 

 

品質問題に関連して「トクサイ」という言葉を用語を耳にします。

「特採」ですから、顧客仕様を遵守する範囲で特別に採用される品質なのです。

 

それを、大手素材メーカーでは、

「顧客からクレームがなければ問題ない」

として、規格外の不正品を「正規品」として出荷していたというのです。

何をどう解釈すると、そうした判断に至るのでしょうか?

 

現場と一緒になって

顧客の信頼を勝ち取ろうと

地道な活動をした経験から判断すると、

こんな状況に至ったのは、

経営者の”当事者意識の低さ”だけのためとしか感じません。

 

現場へ入り込んで現実を直視し、

現物を手にして、現実を知る、三現主義が抜けているのです。

 

新聞報道に

現場のコメントが掲載されていましたが、

「経営幹部が工場の現場に足をはこぶことはめったになかった。」とのこと。

何をかいわんやとはこのことです。

 

情報通信技術が現場へ導入され、

モノづくりも

デジタルの時代となっていますが、現場の中心は昔も今も人です。

大手の経営者には、

品質とは、会社の仲間と築き上げるものであるとの認識が希薄なのかもしれません。

 

品質は天から降っくるとでも考えているのでしょうか?

現場といっしょになって、

地道に、

地を這うような努力を重ね、

薄皮を一枚一枚、積み重るように築くのが品質なのです。

 

ですから、

トップが先頭に立って、現場を引っ張り続けないといけません。

それを、

現場に丸投げで、何とかしろでは、

現場からやる気が引き出されるどころか、士気は下がるだけでしょう。

 

品質問題の原因の大部分は、経営者の”姿勢”が直接、間接的に関係しているのです。

情報を上部組織へ上げようにも、

聞いてもらえそうになく、

あきらめに近い気持ちを抱いていた

との現場のコメントを目にしましたが、気の毒に感じずにはいられません。

 

現場を熟知していないと

品質を理解するのが難しいのは確かですが、

経営者が先頭に立ってやらねばならないのも品質活動。

場合によっては火中の栗を拾う勇気を持って行動することも必要なのが品質活動。

 

経営者なのだから、こうした姿勢は、当然といえば当然のことです。

ですから、現場へ丸投げでは、経営者の仕事を放棄していることに他なりません。

 

現場からヒアリングする、

現場へ足を運び現物を手にする、

こうしたことを通じてやるべきことが見えてきます。

肌で感じることも、品質管理では欠かせないのです。

 

今一度、品質に関して、経営者の仕事には何があるのか、考えてください。

一律の答えがあるわけではありませんが、

現場へ足を運ぶこと、

現場で製品を手にすること、

こうしたことからでも構いません。

 

そうした経営者の姿を目にした現場は、何かを感じるはずです。

人手が不足していようと、

していまいと

満たさなければならないのが品質ですから、

経営者が先頭に立ち、現場を導かねばなりません。

 

品質活動、品質管理では、

他の生産2条件より、先頭に立つ姿勢がトップに求められます。

なにせ、品質はできて当たり前と言われる、製造業の前提条件のようなものですから。

 

言うは易く、やり難い品質活動ですが、

だからこそ、トップが先頭に立つことが求められます。

そうしたトップの姿勢を目にして、現場は品質活動でも自律性を発揮できるのです。

 

品質問題の原因を

人手不足というように

現場へ責任転嫁しているような経営者が

トップにいる現場のモチベーションはどうなるか。

それを想像して下さい。

 

火中の栗を拾うことを避けた経営者層に

導かれた現場の末路が、昨今、報道されている事例に他なりません。

対岸の火事、ではなく他山の石としたいです。

 

品質はできて当たり前と自信をもって言える仕組みをつくりませんか?

 

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