戦略的工場経営ブログ「もうかる」ではなく、「もうかり続ける」工場経営

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もうかり続ける工場経営ができていますか?  

1.外注先の若い担当者が語った言葉が、もうかり続ける工場経営のヒントになる

 前職で勤務していた工場の外注先企業でのことです。50名程度の規模で、工場が2つありました。板金と組立を中心にした受注生産の形態です。開発に使う小規模な試作装置や治工具類の製作を不定期に依頼していました。    あるとき、新たなお願い事をしに、その会社へ出向いた時のことです。社長との会話で、その会社の経営方針が話題になりました。「会社をドンドン発展させるために売上を増やさなければならないでしょう。それに合わせて現場の生産性も向上させる必要もありますよね。たいへんですね。」と社長へ問いかけたのです。    当時、私が所属していた工場では生産ラインの生産能力を向上させる必要がありました。販路開拓の取り組みが進んでいたからです。ですから、自然とそのような問いかけになりました。    社長から返ってきた言葉は次のようなものです。 「ウチの会社では売上目標とかノルマを課していません。規模を大きくするのは危険です。無理がかかるとヨクナイので、今の規模を維持できればいいと考えています。」  その会社はいわゆるブラック企業とは真逆の雰囲気を持つ会社でした。ずいぶんと従業員想いの社長だなぁ、と感じた次第です。こうした社長とのやり取りと後に、依頼事項の詳細を確認するのに現場へ降りました。 (事務所が2階にあったので)  そして、いつもお願いしている現場の若い担当者と会話を交わしました。図面の詳細事項の確認です。そして、その後の雑談で先ほど交わした社長とのやり取りを話題にしました。  「ココの社長は従業員想いでいいよね。」と言葉をかけたところ、その若い担当者から予想外の言葉が返ってきたのです。    「伊藤さん、そうなんですよ。ウチの社長は、そう言ってくれるので、最初はいいかなと思っていました。だけど、最近、このままでいいのかなって感じです。将来のこと考えると、どうなっていくのか心配だし。もっと大きくなっていくことなんかも考えないと、なんか取り残されそう。」  彼には、他社へ就職した同期の仲間と会話をする機会があります。その若い担当者は自分の会社の相対的な立ち位置を肌で感じていたたのです。  「俺の会社はさぁ、こんなこと目指して、あんな風になるんだ・・・・」という話をかっての仲間から聞けば、それと比較して自分の会社は・・、と当然に考えるわけです。そうでなくても、数多の情報があふれている時代です。自分が働いている会社の比較対象をいやというほど目にします。ウチの会社は・・・。    その若い担当者の言葉を、当時はそれほど印象深く記憶していたわけではありません。ただ、その後、管理者になってから、時々、思い出すことがありました。現場はもっともっと頑張りたかったようです。          

2.現状維持を目指した工場経営はそもそもありえない

 現状維持を目指した工場経営はあり得るでしょうか?答えははっきりしています。NOです。企業とは「変化適応業」であり「変化創造業」です。その点から考えてもあり得ません。   ・変化に対応しよう、変化を創っていこうとする姿勢 ・現状を維持しようとする姿勢  上記2つの姿勢を両立させることはできません。  変化に対応しよう、変化を創っていこうと考えた。しかし、「結果的に」残念ながら現状維持にとどまった、ということはあります。変化とは相対的なモノです。周囲の進歩の方が早ければ、結果として現状維持にとどまるからです。    ただし、最初から現状維持を目指している企業が存続・成長することはありません。「最近の外部環境は安定していて、変化は全くないね。」こう考えている経営者はいるでしょうか?製造業は技術の世界で戦っています。技術進化が加速しているなか、現状維持はありないのです。  ですから、現状維持を工場経営の目標に定めていたら。従来と変わらない工場経営を継続していたら。それは、衰退、後退を意味します。周囲は変化しているのです。現状維持を目標にして、現状維持を達成することは絶対に不可能です。  振り返れば、ここ3年間、仕事のやり方も変わらなければ、顧客の内訳も変わっていない・・・・・という現場があったら要注意です。気が付かないうちに、後退、衰退の道を進んでいるかもしれません。          

3.もうかり続ける工場経営には経営者の熱い思いが欠かせない

 ”経営の本質は他人を通じて経営者の想いを実現すること”です。そのためには、”もうかり続ける” 工場経営が必要です。”もかる” 工場経営では不十分です。”もうかり続ける” ことが要諦です。付加価値額を積み上げ続ける仕組みがあってこそ、従業員を幸せにする「将来投資型固定費戦略」が可能となります。    仕組みがなくてもムリをすれば、一時的にもうけることはできます。利益=売上-費用ですから、売上や費用を少々ムリして、大きくあるいは小さくすれば、利益をひねり出せます。  ただし、一時的にもうかる工場経営では現場にムリの掛かるのです。一時的にムリができても、仕組みがなければ、長い間、続けることはできません。将来を見通した、もうかり続ける工場経営でないと現場は疲弊します。    利益=付加価値額-固定費の考え方にしたがい、固定費を健全に成長させながら利益を出す戦略に注目です。現場に見通しを示すことができます。したがって、現状維持の意識は現場の動機付けにはつながらないのです。  将来の見通しを示して現場のやる気を引き出し、もうかり続ける工場経営で従業員の幸せを実現させる。経営者の手腕を発揮するところです。経営者にしかできないことでもあります。ここに、現状維持という発想は全くありません。          

3-1 経営者の熱い想いを形にした「成功へのシナリオ」

図1  経営者の熱い想いを形にした「成功へのシナリオ」がありますか?経営者が思い描いている「実現したい将来の姿」へ至るまでのストーリーです。現場と工場が豊かになり、会社が豊かになって、従業員と経営者が豊かになる手順です。    誰が何をいつまでにどのようにやって、そこへたどり着くか。「モノガタリ」を経営者自らが現場へ説明します。見通しを示された現場では、経営者といっしょに困難を乗り切ろうという動機づけが高まるのです。「見通し」の大切さは学術的にも証明されています。  希望に満ちた将来像を提示されることほど、従業員にとって嬉しいことはありません。今は困難な状況に直面しているかもしれないけど、未来はワクワクするからです  自分の人生をかけて働こうとしている会社で踏ん張ろう!こうした気持ちが湧き出ないはずはありません。現場のやる気を引き出すことができます。見通しはやる気を引き出す原動力です。        先の外注先の若い担当者の彼が語っていた言葉、「将来のこと考えると、どうなっていくのか心配だ。もっと大きくなっていくことなんかも考えないと、なんか取り残されそう。」その気持ちが、今ならよくわかります。    彼も、将来への見通しを知りたかったのです。今は仕事が辛くても、将来に向けての夢があるのかどうか。違う会社で頑張る同期の連中が会社の将来のことを生き生きと語っている姿を見た彼は、一方で自分の職場はどうなるのだろう・・、と考えたわけです。  さらに、将来の目指すべき姿を知って頑張りたい・・とも考えたはずです。営者の熱い想いを形にした「成功へのシナリオ」が若手のやる気を引き出すトリガーに必ずなります。          

3-2 戦略工場経営

 もうかり続ける工場経営を目指します。 1)仕組みで見える化を図る。 2)動機づけでチームオペレーションを促す。 3)フォローと評価で現場と経営者との双方向のやり取りをする。    一つでも欠けると工場経営は上手く機能しません。こうした仕組みを定着させ、機能させるには、経営者の熱い想いが欠かせません。経営者の熱い想いとは、つまり実現したい将来の姿と言い換えられます。    付加価値額を積み上げるためイノベーションを生みたい!  従業員やその家族の人生を豊かにしてあげたい!  地域雇用を守り、地域問題を解決することで地域に貢献したい!    経営者でないと果たせない想いであり願いです。そして、これらは現場の夢でもあります。さらに、こうした経営者の想いは一朝一夕に達成されるものではありません。地道な現場活動や人材育成等の積み重ねが欠かせず、時間が必要です。  儲かる工場経営では、「将来的」「長期的」を意識します目先のことに捕らわれることなく、ぶれない軸にしたがいます。「戦略的」に考えた工場経営を展開したいわけです。    1)仕組みで見える化を図る。  2)動機づけでチームオペレーションを促す。  3)フォローと評価で現場と経営者との双方向のやり取りをする。  仕組みに経営者の熱い想いを加えます。そうして、誰が何をいつまでにどのようにやって、そこへたどり着くかの「モノガタリ」、成功のシナリオをつくるのです。これが戦略的工場運営です。    成功へのシナリオを現場へ提示し、現場のやる気を引き出す戦略的工場経営の仕組みをつくりませんか?   株式会社工場経営研究所 「儲かる工場経営」メルマガ ご登録ください。 毎週火曜日配信中。 https://48auto.biz/koujoukeiei/registp.php?pid=3 ha ha
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