戦略的工場経営ブログ労働生産性の国際比較2025年

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(公財)日本生産性本部は、2025年12 月22 日、「労働生産性の国際比較2025」を公表しました。「労働生産性の国際比較2025」では、2024年での日本の労働生産性を国際比較しています。

(公財)日本生産性本部は毎年12月に日本の労働生産性をグローバルで比べた結果を報告しています。労働生産性の定点観測です。

少子化で人口減少が進み、多くの業種で人手不足が深刻化しているなか、生産性向上は喫緊の課題となっています。日本の生産性がグローバルでどの程度の水準にあるのか知ることは健全な危機感を持つために欠かせません。

以下の出展は、全て、公益財団法人日本生産性本部「労働生産性の国際比較2025年」です。

※過去のデータも見直しがされています。そのため、「労働生産性の国際比較2024年」での実績と順位にズレがあるようです。最新データで確認する必要があることに留意ください。

1.国民1 人当たりGDP の国際比較
 2024年OECD 加盟38 カ国中26位(2023年は25位)

2.就業者1 人当たり労働生産性の国際比較
 2024年OECD 加盟38 カ国中29位(2023年は29位)

3.就業時間当たり労働生産性の国際比較
 2024年OECD 加盟38 カ国中28位(2023年は26位)

4.製造業の名目労働生産性水準の国際比較
 2024年OECD 加盟38 カ国中20位(2023年は20位)

1.国民1 人当たりGDP の国際比較

国民1 人当たり国内総生産(GDP)は「経済的な豊かさ」を表しています。国の豊かさをグローバルで比較するにあたって、この数値が使われるようです。

●国民1 人当たりGDP =国内総生産(GDP)÷人口

また、国民1 人当たりGDP をドルベースに換算する際は、各国間の物価水準の違いを調整した購買力平価(Purchasing Power Parity/PPP)レートを利用しています。OECDの2024年の円ドル換算レートは1ドル=95.11円です。

OECD(経済協力開発機構)に加盟する38カ国 の2024年の国民1 人当たりGDP のトップ5は下記です。
 1位  ルクセンブルク  (150,744 ドル/1,434 万円)
 2位  アイルランド  (138,271 ドル/ 1,315 万円)
 3位  ノルウェー  (101,008 ドル/961 万円)
 4位  スイス  (94,009 ドル/894 万円) 
 5位  米国  (85,836 ドル/816 万円)

一方、日本の国民1 人当たりGDP は、OECD 加盟38 カ国中26位でした。
 26位  日本 (53,863 ドル /512 万円)

この水準は、米国の6 割程度であり、韓国(19位)を下回っています。

下記は日本の国民1 人当たりGDPの推移です。
 (年)(国民1 人当たりGDP)(順位)
 1970年   3,349   19
 1980年   8,974   17
 1990年  19,891    8
 1995年  24,271    6
 2000年  27,696   15
 2010年  35,665   18
 2020年  43,752   22
 2021年  46,065   22
 2022年  49,529   26
 2023年  51,999   25

2024年  53,863   26


(購国民1 人当たりGDPの単位は買力平価換算US$)

日本の国民1人当たりGDPは、1995~97年にかけてOECD加盟国中6位と、主要先進7カ国でみると米国に次ぐ水準でした。

しかし、1990年代後半以降は、経済的停滞により国民1 人当たりGDP は増えてはいるものの、成長率が低迷しました。徐々に他の主要国に追い抜かれる推移をたどっています。

OECD 加盟諸国の中でみると、2010 年代前半までは、1970~80 年代とほぼ同じ17~18 位程度を維持していました。しかし、2010 年代後半になると20 位台に後退しています。

そして、現在、26位です。OECD平均が61,578US$なので、平均からも13%低い水準になっています。「経済的な豊かさ」から言うと、日本はもはや豊かな国とは言えないのかもしれません。

また、主要先進7 カ国中では、2018 年以降、2024年までずっと、7番目、最下位です。

2.就業者1 人当たり労働生産性の国際比較

国民1 人当たりGDP として表される「経済的豊かさ」を実現するには、より少ない労力でより多くの経済的成果を生み出すことが重要です。利益アップと給料アップを実現させます。その原動力が付加価値額です。

就業者1 人当たり、あるいは就業1 時間当たりに積み上げる付加価値額が高まれば、利益も給料も増やせます。賃金アップにはこの数値の向上が欠かせません。

労働生産性は、一般に就業者1 人当たり、あるいは就業1 時間当たりの付加価値です。国際比較では、付加価値をGDP(購買力平価によりドル換算)で評価しています。

●労働生産性 =GDP(付加価値)就業者数 (または就業者数× 労働時間)

OECD(経済協力開発機構)に加盟する38カ国 の2024 年の就業者1 人当たり労働生産性 のトップ5は下記です。
1位  アイルランド  (270,032 ドル/ 2,568 万円)
2位  ルクセンブルク  (198,190 ドル/1,885 万円)
3位  ノルウェー  (193,551 ドル/1,840 万円)
4位  米国  (180,993 ドル/1,721 万円)
5位  スイス  (173,840 ドル/1,652 万円) 

一方、日本の就業者1 人当たり労働生産性 は、OECD 加盟38 カ国中29位でした。
 29位 日本  (98,344 ドル/935 万円)

この水準は、米国の54%です。

下記は日本の就業者1人当たり労働生産性の推移です。
 (年)(就業者1 人当たり労働生産性)(順位)
 1970年   6,834   19
 1980年  18,975   19
 1990年  39,343   13
 1995年  47,152   17
 2000年  54,492   20
 2010年  72,503   21
 2020年  81,963   29
 2021年  86,128   29
 2022年  92,056   30
 2023年  95,838   29

2024年  98,334   29
(就業者1 人当たり労働生産性の単位は買力平価換算US$)

日本の順位は2010 年から2020年の間で急激に落ち込んでいます。日本の就業者1 人当たり労働生産性水準は、OECD 加盟38 カ国の中では29 位にあたり、前年の2023 年と同じでした。主要先進7 カ国でみると、最も順位が低い状況が続いています。

日本の生産性自体は向上していますが、そのスピードがグローバルで劣後しているのです。

3.就業時間当たり労働生産性の国際比較

労働生産性は、就業者1人当たりに加え、就業1時間当たりとしても評価されます。労働形態が多様化しているので、労働時間当たりでどれだけ成果を生み出したか、この評価も大事です。

OECD(経済協力開発機構)に加盟する38カ国 の2023 年の就業1時間当たり労働生産性 のトップ5は下記です。
 1位  アイルランド  (164.3 ドル/ 15,637円)
 2位  ルクセンブルク  (134.6 ドル/12,811 円)
 3位  ノルウェー  (133.9 ドル/12,743円)
 4位  米国  (116.5 ドル/11,088 円) 
 5位  デンマーク  (106.5 ドル/10,136円

2024 年の日本の就業1 時間当たり労働生産性は、OECD 加盟38 カ国中28 位でした。

28位 日本 (60.1 ドル/5,720 円)

下記は日本の就業1時間当たり労働生産性の推移です。
(年)(就業1時間当たり労働生産性)(順位)
 1980年   8.4   18
 1990年  18.7   19
 1995年  24.0   20
 2000年  29.4   21
 2010年  40.2   20
 2020年  50.4   28
 2021年  52.7   28
 2022年  56.4   28
 2023年  58.6   26

2024年  60.1   28
(就業1時間当たり労働生産性の単位は買力平価換算US$)

日本の順位は2010 年から2020年の間で急激に落ち込んでいます。そして、2024 年の日本の就業1 時間当たり労働生産性は、OECD 加盟38 カ国中28 位でした。

また、主要先進国の中では最下位で、これは1970年以降、ずっとそうした状況です。生産性の低さを長時間労働で挽回していた状況も読み取れます。

4.製造業の名目労働生産性水準の国際比較

OECD(経済協力開発機構)に加盟する38カ国 の2023 年の製造業の1人当たり名目労働生産性就業のトップ5は下記です。
1位  アイルランド  (620,385ドル/9,166万円)
2位  スイス  (327,288ドル/4,835万円)
3位  米国  (231,549ドル/3,421万円)
4位  デンマーク  (220,304ドル/3,255万円)
5位  ノルウェー  (157,375 ドル/2,325 万円)
 単位:USドル(加重移動平均により平滑化した為替レートを用いて換算。移動平均は振幅が大きい株式や為替の推移の変動幅を平準化する際などに用いられる手法の一つ。今回の手法で算出した2024年の対ドルレ-トは147.74円(参考 2023年:140.96円)。)

2022 年の日本の就業1 時間当たり労働生産性は、OECD 加盟38 カ国中20 位でした。

20位  日本  (80,411 ドル/1,188 万円)

米国の半分にも至らない水準です。

下記は日本の製造業の名目労働生産性の推移です。
 (年)(製造業の名目労働生産性)(順位)
2000年   86,894   1
2010年   114,766  7
2020年   95,785    15
2021年   96,805   18
2022年   82,944    20
2023年   81,904    20
2024年   80,411    20


単位:USドル(加重移動平均により平滑化した為替レートを用いて換算)

日本の順位は、2000 年、OECD 諸国でトップでした。その後、徐々に順位を落とし、現在20位まで順位を落としています。生産性が比較的高いとされる国内製造業でも、生産性が国際的に劣後しつつあるのは気になることです。

さらに、円ベースでは上昇が続いていますが、円安が進んでいることからドルベースでみると数値が落ち込んでいることがわかります。

5.人時生産性向上のために

日本の生産性はグローバルで低迷しています。

1.国民1 人当たりGDP の国際比較
 2024年OECD 加盟38 カ国中26位(2023年は25位)

2.就業者1 人当たり労働生産性の国際比較
 2024年OECD 加盟38 カ国中29位(2023年は29位)

3.就業時間当たり労働生産性の国際比較
 2024年OECD 加盟38 カ国中28位(2023年は26位)

4.製造業の名目労働生産性水準の国際比較
 2024年OECD 加盟38 カ国中20位(2023年は20位)

そして、注目しておかなければならないことは、徐々に順位が下がっていること、そして回復の兆しがないことです。国内的には数字を伸ばしていますが、残念ながら、他国の方が成長率は高くなっています。その結果、国際的に劣後しているのです。

弊社は、中小製造企業の経営者の方々を支援して、人時生産性向上の仕組みづくりをしております。利益アップと給料アップのためには、人時生産性、つまり就業時間1時間当たりに積み上げる付加価値額をドンドン増やすしかかありません。

中小製造企業は少数精鋭です。経営資源にも制約があります。そうであるなら、少々ムダが有っても構いません。とにかく積み上げることに焦点を当てることです。

削減よりも、積み上げに意識を向けます。自ずと経営者の仕事場がどこにあるかを実感できるのです。管理だけでは儲かりません。

弊社は、これからも、挑戦する経営者と一緒に人時生産性を高める取り組みを進めて参ります。

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