Pocket

1.キャプテンの役割は小さくない

 100年続いた大手企業もアッという間に市場からの撤退を余儀なくされる時代です。大手も生き残りに必死になっています。いわんや中小製造企業においてをや・・・。

 時代が変わり、市場が変わり、顧客が変わっています。従来の仕事のやり方では結果が出ません。いつの時代でも、中小製造企業の経営者は「変える」ことを求められます。

 

 継続的な改革で、(もともと少ない)経営資源の効率を高めなければなりません。現場の一体感やチーム力が経営者を後押ししてくれます。ベクトルを揃える環境整備が大切です。

 そこでは、経営者の考え方を理解して現場を導くマネージャーやリーダーの仕事ぶりが問われます。野球でもサッカーでもチームを引っ張るキャプテンの役割は小さくないのです。

 

 

 

 

2.マネージャーの資質

 ドラッガーはマネージャーの資質に言及しています。

 「マネージャーにできなければならないことは、そのほとんどが教わらなくても学ぶことができる。しかし学ぶことのできない資質、後天的に獲得することができない資質、始めから身につけていなければならない資質が、ひとつだけある。才能ではない。真摯さである。」(出典:エッセンシャル版マネジメント基本と原則p130 P・F・ドラッガー)

 人事に係わる決定で留意すべき論点です。マネージャーに求められる資質のうち「真摯さ」は後天的には学べないと言うのです。人を見極めなければなりません。

 

 「真摯さを重視して、初めてまともな組織といえる。(中略)真摯さはとってつけるわけにはいかない。すでに身につけていなければならない。ごまかしがきかない。(中略)無知や無能、態度の悪さや頼りなさには、寛大たりうる。だが、真摯さの欠如は許さない。決して許さない。彼らはそのような者をマネージャーに選ぶことを許さない。」(出典:エッセンシャル版マネジメント基本と原則p147 P・F・ドラッガー)

 真摯さを持っていない人、真摯さに欠けている人をリーダーに選んではダメだということです。チームで成果を出そうとするなら、絶対に間違ってはなりません。

 間違った人がリーダーになったらどうなるか?

 

 「(管理者やリーダーが)いかに知識があり、聡明であって上手に仕事をこなしても、真摯さに欠けていては組織を破壊する。組織にとってもっとも重要な資源である人間を破壊する。組織の精神を損ない、業績を低下させる。」(出典:エッセンシャル版マネジメント基本と原則p148 P・F・ドラッガー)

 真摯さに欠けるリーダーは事業の障害になるというのです。能力の有無ではなく、真摯さの有無です。

 このことは、マネージャーだけでなく、チームを構成する1人ひとりにも当てはまるのではないでしょうか?

 

 

 

 

 

2.社会の1人ひとりに求められるもの

 新型コロナウィルスでは感染拡大防止のために1人ひとりの行動が問われる事態となりました。99人がルールを遵守しても1人が自分勝手な行いをすれば、感染者集団(クラスター)を発生させます。それは爆発的な感染拡大(オーバーシュート)につながりかねないのです。

 作家の平野啓一郎氏は5月2日のYahoo!ニュースの中で、今後、1人ひとりに求められることを語っています。

「自分さえよければという生き方では最終的には社会が壊されてしまう。世界がいい方向に進むようなビジョンを1人ひとりがもつべきだ。」

 

 アフターコロナは働き方のみならず、生き方も改革する機会を提供してくれているのかもしれません。独りよがりの自分勝手な価値観を振り回すだけでは空しいです。

 One for all ,all for one.1人はチームのために、チームはひとつの目標のために。会社だけでなく、社会全体でも、チームや仲間の重要性が高まるような気がします。

 昨今、「脱3密」、「ソーシャルディスタンス」、「オンライン化」等と言われているだけに、そのアンチテーゼとして一生懸命さや誠実さ、真摯さも忘れてはなりません。

 

 

 

 

 

3.「integrity」

 ドラッガーがマネージャーの資質として問うた「真摯さ」は、原文で「integrity」と表現されているようです。英英辞書で意味を調べると次のように記述されています。

 「If you have integrity, you are honest and firm in your moral principles./I have always regarded him as a man of integrity… He was praised to his fairness and high integrity.」(出典:コウビルド英英辞典 改訂第3版)

 

 「in your moral principles.」にドラッガーの伝えたかった意味が含まれているのではないでしょうか?その人の「moral principles.」に影響されます。

 したがって、「integrity」に欠ける人物へ「integrityをしっかり持ちなさい。」と説得してもムダだということです。

 「integrity」はちょっと伝えてなんとかなるものではありません。その人の生き様も問われます。

 

 

 

 

 

4.仕事を通じて「真摯さ」を獲得する

 経営者はリーダーに真摯さを求めなければなりません。リーダーはチームの牽引役だからです。真摯さを持ったリーダーに引っ張られる現場で真摯さの雰囲気が醸成されます。

 影響力を持つ人の言動は波及するからです。チーム力が問われる製造現場であるならなおさらです。

 

 自分の仕事だけやっていればいいと考えるリーダーに導かれるチームでは協力し合う雰囲気は絶対に生まれません。

 一方で、コミュニケーションを大切にして、フィードバックを欠かさず、部下のことに目を配るリーダーに導かれるチームの凝集性が高くなるのは当然です。

 そして、そうした雰囲気に日々浸っていれば、後天的に身につけがたい資質も仕事を通じて獲得できます。

 

 一緒に仕事をしているある経営者は、現場へ「物心両面の幸福」や「誠意の大切さ」を繰り返し伝えています。経営者の右腕役である工場長も真摯さを持った人物です。社長の想いを具現化しようと一生懸命になっています。

 真摯な仕事ぶりの工場長に導かれる現場には工場長の仕事ぶりが波及するのです。日々、言動に触れていれば、それが普通になります。当事者意識高く、使命感を持って仕事ができる環境は気持ちがいいものです。

 マズローの欲求5段階説から考えるとそうなります。

 

 

 

 

 

5.「真摯さ」を求めるのではなく、問いかける

 チームのメンバーに「真摯さを持ってください」と言っても効果はありません。他人が求めて得られるモノでないことはドラッガーの指摘通りです。

 そこで、「あなたには真摯さがありますか?」とメンバーに問い続けるのです。

 

 真摯さを持ったリーダーに導かれるチームでは問いかけ続けることができます。当事者意識の高い、一生懸命で使命感にあふれたリーダーの仕事ぶりを日々、目にするからです。言動を通じて間接的に問いかけられます。

 この問いかけがチームの真摯さをつくります。

 

・経営者は真摯さを持ったリーダーを人選する。

・リーダーの仕事ぶりを通じて現場の1人ひとりへ真摯さを問いかけ続ける。

・当事者意識の高い、一生懸命で使命感にあふれる現場へ変える。

 

 

 中小製造企業を取り巻く環境は大きく変わりました。黙っていても受注が舞い込む時代は過去のものです。削減の時代から積み上げの時代へ。アフターコロナでは時代の変化が加速されます。

 生産性向上だと言って、分母の削減だけに精を出しても儲からないのです。付加価値額を積み上げることです。現場活動の焦点をこの1点に集中させなければ生き残れません。

 現場活動を顧客創出につなげる新たな発想が求められます。考え方の大反転です。真摯なリーダーが現場改革を主導します。

 

 弊社は儲かる現場活動の仕組みづくりをご支援しています。

 次は貴社の番です!

 

株式会社工場経営研究所 「儲かる工場経営」メルマガ ご登録ください。

 毎週火曜日配信中。

https://48auto.biz/koujoukeiei/touroku/entryform1.htm

ha

ha

弊社セミナーへご参加ください。

 

経営者のための中小製造現場「生産性UP体制つくり方」セミナー!

 

URLをクリックしてしてお申込みください

 

http://koujoukeiei.jp/seminar-lp
Pocket