戦略的工場経営ブログ現場の日々ミーティングで経営者の想いを浸透させる

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現場で毎日、ミーティングをやっていますか?

1.儲かる工場経営の前提条件

儲かる工場経営の取り組みには前提条件があります。

経営者の想いが現場の隅々にまで浸透していることです。

モノづくりの現場で生産性を高めてお金を生み出す取り組みはあくまで工学であり科学です。

ある程度の”定石”があります。

この点では、将棋や囲碁と同じです。

ただ、定石はあくまで定石なので、

状況、局面、

経営者の考え方などを踏まえ、その現場独自の仕組みにアレンジします。

この点でも、場面によって指し手を工夫していく将棋や囲碁と同じです。

将棋や囲碁では棋士本人が自らの頭で考え、自らの手で駒や碁石を置きます。

戦略を考える人とそれを実現させるために行動する人が同一です

一方、モノづくりの現場においては、戦略を考える人と実行する人は、同じではありません。

戦略を考える人は経営者です。

そして、その戦略を実現させるために仕組みを回して行動する人は現場です。

戦略を実現させるために、

どんなに立派な仕組みを作っても、

現場が経営者に呼応しなければ成果は出ません。

せっかくの仕組みも、

魂の入っていない仏、

瞳が描かれていない龍、

目玉のないだるまにとどまるということです。

仕組みづくりは重要ですが、

それと同じくらいに、

現場が経営者と呼応している状態、

つまり経営者の想いが

現場の隅々にまで

浸透している状態を作ることが絶対に欠かせません。

繰り返し申し上げていますが、

「工場経営の本質は他人を通じて経営者の想いを実現することにある。」のです。

そのためには、

経営者の想いを

現場へ繰り返し、繰り返し、繰り返し伝え、

理解してもらい、

そこから共感を生み出すことが

必要であると、皆さんはすでに気が付いているのではないでしょうか。

2.日々の現場ミーティング

皆さんの現場では経営者の想いを浸透させるために何を実施していますか?

年度初め、年始、4半期など節目の方針説明や経営者の考えを記述したカードの配布。

月末、週末の生産関連会議なども経営者の想いを浸透させる場になり得ます。

さらには、生産実績や生産性実績を日々見える化するのも効果的です。

見える化の対象になっている数値が経営者の想いを代弁します。

多くの現場で定着して使われている「作業日報」もそうした手段になるでしょう。

作業日報の毎ページに、

経営者の方針、目標数値を現わしておけば、

現場は、毎日、それを目にすることになります。

経営者の想いを浸透させるポイントは、継続性であり、繰り返し性です。

時間を味方につけて地道に実施します。

特効薬はありませんが、時間をかけて構築できたものは本物です。

したがって、毎日実施することに着目します。

そうしたなかで、今一度、見直したいのは、日々の現場ミーティングです。

皆さんの現場では毎日、現場を対象にしたミーティングをやっていますか?

ご支援の中で感じることですが、

中小の現場ほど、

この日々のミーティングがやられていないようです。

少ない人数なので、

そうしたことをやらなくても、

現場の意思疎通はできていると思い込んでいる経営者が多いのかもしれません。

大手の現場では、まず、確実と言っていいほど現場で毎日ミーティングが開催されます。

1)現場リーダーと各工程キーパーソン間の意思疎通。

2)各工程キーパーソンと作業者間の意思疎通。

この2階層のミーティングが継続的にやられているのです。

かって所属していた大手の現場では、

前者が20人規模で30分程度、

後者は工程の規模にもよりますが、工程毎で3交代各シフトで10人前後で5分程度でした。

現場の規模も小さくないので、意思疎通のためにやらざるを得ないというのが現実です。

ただし、その結果、あらゆる情報が現場へしっかりと伝わっていました。

工場長の方針や安全情報、生産進捗、トッピクスなどが日々現場にまで届きます。

こうした日々ミーティングによって、

経営者層と現場の意思疎通が効果的に行われていることを実感しました。

一方、中小の現場では、

現場を対象にしたミーティングが毎日行われている事例は多くはないと感じています。

その結果、

現場の規模が大手より小さいにも関わらず、

ベクトルが揃っていないことが多いのです。

先月、ご相談を受けた

20名前後の金属加工業の現場でも

現場のベクトル合わせに関連して、

現場を対象にしたミーティングの有無を尋ねたところ、

やっていないとのこと。

毎朝、就業開始の時間になると三々五々、各自が自分の持ち場へ散って作業を開始する。

数十名といえども、

これでは、

日々ミーティングを継続している数百人の

現場に、

チームワークでも負けてしまうのは、

火をみるより明らかなのではないでしょうか?

まずは、現場を対象にした日々のミーティングを継続して下さい。

そこで、経営者の想いを伝える仕組みをつくるのです。

手始めに、日々の生産、受注の状況と安全情報に絞ったミーティングでもかまいません。

5分でも、10分でも、

1)現場リーダーと各工程キーパーソン間の意思疎通。

2)各工程キーパーソンと作業者間の意思疎通。

この2階層に着目したミーティング設計するのです。

規模によっては1)と2)が一緒でも構いません。

作業者に当事者意識を持ってもらうことが狙いです。

ミーティングの規模は10人前後、最大でも20人で。

それ以上になると、当事者意識が希薄となります。

経験的には5人程度が理想です。

ただし、規模が大きい現場ではミーティングを多層構造でやらざるを得なくなります。

この点でも、そもそも、中小現場は有利なのです。

そうした環境が整備された後、

経営者の想いをはじめ、

ベクトル合わせに関する情報を現場へ届けるのです。

繰り返し、繰り返し、繰り返し、伝えることで、現場へ届くものが必ずあります。

時間をかけて構築できたものは本物です。

経営者の想いを浸透させる手段として、現場対象の日々ミーティングを活用して下さい。

現場対象の日々ミーティングを開催する仕組みをつくりませんか?

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