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貴社の現場ではベテランが積極的に技能伝承に取り組んでいますか?

 

1.技能伝承の壁に直面した社長

金属の塑性加工を事業の柱としている中小製造企業の工場見学をする機会がありました。

従業員数が160名、資本金が4000万円の中規模製造企業です。

 

その企業の現場では、生産性を高めるため、積極的に情報通信技術を現場へ導入しています。

それらを定着させ、実地で成果を出している事例を見せていただきました。

 

経営者の長年の想いを実現させたシステムです。

現場が主体となり、知恵を絞って、独自に作り上げたしくみとのことでした。

 

「経営者の想い」が現場力を呼び起こし、やる気を引き出しました。

「経営者の想い」が大切であるとの考え方には、弊社も強く共感ができます。

 

 

 

工場見学の主目的は、

現場へ導入された情報通信技術の導入、

活用状況を知ることでしたが、

見学の途中で説明のあった、同社独自の技能伝承方法にも興味を持ちました。

 

これもまた、社長の想いを具現化した仕組みです。

 

その現場の固有技術のひとつに、アルミロウ付けがあります。

安定した品質のアルミロウ付けを量産するには、確かな技能が欠かせません。

 

伊藤も現場で数回、挑戦したことがあります。

酸化しやすい金属でもあり、

適切なフラックス量との兼ね合いもあって、技能を体得する難しさを知りました。

 

技能伝承は、

経営者が意思を持って、

計画的に取り組まなければ、

組織的に成果を上げることのできない仕事のひとつです。

 

そうでなければ、属人的な要素を多分に含んだやり方になってしまいます。

つまり、技能伝承が、特定のベテラン頼みになるのです。

 

そのベテランがいるうちは、問題は顕在化しません。

しかし、そのベテランが引退すると決まった途端に、問題が現場から噴出する状態に陥ります。

 

加えて、組織的に技能伝承を進めたいと考えても、必ずしも、うまくいくわけでもありません。

そのベテランが、

経営者の想いに共感し、

自らの技能を伝承することに、

積極的な姿勢を見せてくれるなら、

問題はありませんが、必ずしも、そうならない場合があります。

その企業でも、

アルミロウ付けの技能伝承で、大きな問題に直面したことがあったそうです。

 

 

 

数十年前、

アルミロウ付け作業の

技能伝承の重要性を感じた社長は、

当時担当していたベテラン従業員から技能を引き継ごうとしました。

 

しかし、

職人気質のベテラン従業員から、

アルミロウ付け作業の技能を伝承するのに、たいへんな苦労をしたということです。

 

細かい話を聞かなくても、社長がベテラン従業員を前にして苦労している状況は目に浮かびます。

こうした状況が目に浮かぶ皆さんも、少なくはないでしょう。

 

こうした経験を踏まえて、社長は考えました。

ベテランだけに技能伝承を任せていては、いずれまた、同じような苦労に直面することになる。

なんとか、固有技術の技能伝承に関して、ベテランの壁を破ることはできないだろうか?

そこで、社長はどうしたか・・・。

 

 

 

 

 

2.ベテランの壁を破るために社長が考えた新しいやり方

ベテランにのみやらせるから、特殊技能になってしまうと社長は考えました。

そうであるなら、全員ができるようになればいいではないか。

 

その企業では、

新入社員の

最初にやるトレーニングメニューに、

固有技術であるアルミロウ付けを取り入れているのです。

 

固有技術だからこそ、全員で技能を残す。

この考え方に触れたとき、伊藤も目から鱗でした。

 

新入社員は、いの一番にアルミロウ付けのトレーニングに取り掛かります。

講師役は、前年に入社して、同じくトレーニングを受けた若手です。

 

固有技術だからと言ってベテランに頼る必要はありません。

同社では、若手で技能伝承のサイクルを回す仕組みが出来上がっています。

 

さらに、同社では、この「全員」が徹底しています。

アルミロウ付けのトレーニングを受けるのは、現場配属の新人だけでは無いのです。

事務所に配属となる女性の新入社員も例外ではありません。

 

さすがに、その話を耳にしたときは驚きました。

ここまで徹底してやらせるとは・・・。

 

 

 

同社では、モノづくりに「不可能はない」という風土を定着させようとしています。

こうした仕事のやり方を通じて、「できない」ということを言わない会社する。

説明して下さった役員の方の言葉です。

 

ウチの固有技術は「アルミロウ付け」である。

この意識が、現場のみならず、事務所を含めた会社全体に、浸透することになります。

 

現場見学をしていたときも、

2名の若い作業者が、並んで量産品のアルミロウ付け作業をしていました。

若手ながら、自信をもって仕事を進める姿が、頼もしく見えました。

 

こうした意識付けがなされれば、若手の仕事のやり方も変わることでしょう。

社長は、この技術こそウチの独自技術のひとつだ、と言っているわけです。

社長から、そこまではっきりと意思表示されたら、頑張りたくなるのが若手ではないでしょうか。

 

 

 

 

 

3.全員で取り組む技能伝承

技能伝承に新しいやり方が必要だと、

社長が強く想ったからこそ、独自のやり方が現場に定着したのです。

 

そもそも、経営者が想わなければ、あらゆることは、何も実現しません。

不可能なことを可能にする、という経営者の気迫が現場の共感を生み、やる気を引き出すのです。

 

 

 

同社では、固有技術の習得を、

新人のトレーニングメニューに取り込むことで、技能伝承の問題を根本的に解消しています。

固有技術がブラックボックス化されず、標準化されやすい状況に至っています。

そして、全員で取り組んでいる技能伝承は、技術の見える化を促します。

 

他社は、こうして出来上がった技能伝承の仕組みを簡単に模倣できません。

つまり、同社独自の強みです。

 

さらに、技術の見える化は、

情報通信技術(ICT)の導入をやり易くする土壌づくりにも貢献します。

技能デジタル化への壁が低いです。

したがって、同社では、IOT導入による生産性向上が、今後も大いに期待されます。

 

ベテランに依存しない技能伝承のやり方を考えませんか?

 

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