戦略的工場経営ブログ感性と機能に注目した儲かる技術開発

貴社の製品には、機能面のほかに、顧客へ提供している価値がありますか?
1.自動車部品を開発していたころに経験したこと
技術の進歩や時代の流れと共に、顧客価値を見直す必要があるのを実感したことがあります。 ティア1として自動車部品を自動車メーカーに供給する工場で勤務していたころの話です。 意匠性も求められる重要保安部品の開発業務に携わっていました。 車の基本性能は、走る、曲がる、止まるです。 不具合があると、この基本性能に支障をきたす恐れのある部品は、重要保安部品として扱われます、 その製品強度、性能が厳しく問われるのです。 一般的に、製品を厚肉に設計すれば、間違いなく強度仕様をクリアできます。 しかし、一方で燃費向上を目的とした、軽量化の要求も強くなってきていました。 競合先との軽量化競争が激しくなったのです。
2.機能競争では圧倒的な差別化技術がなければ儲かりにくい
さて、自動車部品では、材料費+加工費がベーシックな見積もりです。 だから、自動車メーカーは、使った材料費分は支払ってくれます。 この見積もりルールで軽量化を進めるとどうなるか・・・。 自動車部品を軽量化した分だけ材料費は低減され、単価は下がる。 そして、軽量化の加工費が従来対比で上昇すると、利益率が下がってしまう。 軽量化のために、加工技術を高度化する技術開発は、しばしばなされます。 この場合、技術開発に要したコストを回収するのが難しくなるのです。 なんとも、報われない流れになる懸念がありました。 そこで、軽量化分のコスト削減分は折半する相談を、顧客へ持ちかけたこともあります。 こうして、軽量化の技術料をいただく相談をしたのです。 極めて革新的な技術であるならば、顧客もプレミアムを出しやすかったかもしれません。 部品重量が半分以下になるくらいの圧倒的な成果ならです。 一方、従来対比で5%、10%減程度の軽量化の場合はどうでしょうか。 技術的な障壁は、高いかもしれません。 が、顧客にとって、その成果のインパクト度合いが、必ずしも大きいとは限りません。 したがって、技術料を価格へ反映したいものの、そう簡単にできることではないでしょう。 圧倒的な軽量化なら、技術料による価格アップも受け入れられ易かったかもしれません。 ”圧倒的な”差別化技術なら、競合が絶対に達成できない成果を提供できるからです。