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全体最適化の視点で業務効率も高めていますか?

1.全体最適化

弊社ブログではたびたび全体最適化について取り上げてきました。

・改善活動の成果が工程内に留まっているのが部分最適化。

・工場全体を貫く一気通貫の生産の流れに着目して工場全体で成果を上げるのが全体最適化。

 

現場で生み出した価値を享受するのは顧客でなければなりません。

ですから、全体最適化とは、

顧客の顔を思い浮かべるモノづくりと言い換えられるのではないでしょうか?

 

作る側の論理が部分最適化であり、顧客側の論理が全体最適化というわけです。

木を見て森を見ずでは、顧客の顔は浮かんできません。

 

顧客に自社製品(サービス)が選ばれない限り、売上は上がらず、利益は出ないのです。

当たり前すぎる程のこの理屈を、現場で共有することが、儲かる工場経営には欠かせません。

 

 

 

 

 

2.全体構造を設計する

全体最適化では一気通貫の生産の流れに着目します。

製造現場の「全体構造」がどうあるべきか、

どんな「構造」なら顧客の要望に応えられるかを考えるのです。

 

一本一本の木に注目して、

木の性質や特性を高める仕事も大切ですが、

それよりも先にやるべきことは、

多くの木から構成されている森の構造を把握し

森から生み出したい価値をはっきりさせることです。

 

森を通じて果たしたい役割、および、

その役割を果たすために必要なことを「構造的」に知る必要があります。

その後、1本1本の木がどうあるべきかが問われるのです。

 

「構造的」な理解があってから、各論が存在します。

森を設計してから、木を議論するのが全体最適化であり、いきなり木の議論を始めるのが部分最適化です。

 

顧客視点のモノづくりでは、

顧客に提供したい価値を生み出すのに必要な工場、生産の流れを設計することになります。

 

全体構造を設計してから、部分の設計です。

全体構造の設計抜きに、各論を議論すると、作る側の論理となってしまいます。

 

 

 

 

 

3.ドイツと日本の違い

工作機械メーカーDMG森精機、

取締役社長の森雅彦氏が「全体構造」について興味深いことを語っています。

(出典:日経モノづくり2018年2月号)

 

DMG森精機は、

2009年にドイツの工作機械メーカーと

業務・資本提携を締結、その後、子会社化し、経営統合を果たしました。

 

その過程で、森氏はドイツと日本の働き方や仕事のやり方の違いを感じたようです。

経営統合を進める中で、

日本とドイツの工場の品質と労働時間の差が明らかになりました。

 

工作機械を販売後、

2年間の無料保証期間で

実際に故障して無料保証の対象になった比率(2015年時点)は下記です。

日本 1.3~1.4%    ドイツ 3.0%

 

一方、社員一人当たりの年間総労働時間は下記です。

日本 2,400時間    ドイツ1,650時間

 

ドイツの工場では残業をほとんどしないが、

日本の工場と同じくらい高品質な製品を造っているというのが森氏の見解です。

 

 

 

ドイツはなぜ短い労働時間で日本並みの品質を実現できるのか?

ドイツの働き方を観察するうちに気が付いたことがあったようです。

 

工作機械を稼働させるには

プログラム入力が必要ですが、

このプログラミングに例えて、次のように語っています。

 

ドイツは年間計画や中期計画といったスケジュールを作るのが上手です。

それは自分自身の行動をプログラミングしているとも言えます。

中長期のスケージュールがあるからこそ、

その日にやるべき仕事が見えているし、

休みも取れます。

自分のプログラム通りに自分を動かしているのです。

ある意味、精密機器みたいなものです。

一方、日本はスケジュールをなかなかうまく作れません。

ひとまず始めて、

後で調整するのが日本のやり方です。

初動は早いかもしれませんが、

プログラムがないから

何をいつまでにやればいいのか分からないし、そんな状況ではまとまった休みも取りにくい。

出典:日経モノづくり2018年2月号

 

さらに、森氏はドイツの仕事のやり方について次のように説明しています。

 

ドイツの人々は

個別の議論よりも全体構造の議論に時間をかけます。

いきなり技術や製品の話から入るのはなく、

「IOTやAIを活用する社会の仕組みはどうなっているべきか」とか、

「社会の仕組みに合わせて法律の構造をどう変えるべきか」とか、

そういった大枠を決めてからでなければ次の議論に進みません。

出典:日経モノづくり2018年2月号

 

全体構造を組み立てることで、今やるべきことが見えてきます。

その結果、仕事の効率がも高まるということです。

 

現場の全体最適化を目指して、

「全体構造」を設計すれば、各工程に求められる機能がはっきりします。

 

全体最適化の後に、

部分最適化を図ることで、

機能面で的を射た一気通貫の現場が出来上がるのです。

 

求められる機能がはっきりすれば、

焦点を絞った仕事のやり方が可能となります。

森氏の表現を借りれば、”自分自身の行動をプログラミング”できるのです。

 

その意味で、

全体構造を設計する全体最適化の視点は、

業務効率を高めるのにも貢献していると言えるのではないでしょうか?

 

全体最適化の視点で、業務効率を高める仕組みを作りませんか?

 

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