戦略的工場経営ブログ作業日報で小さなPDCAを回す

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貴社では作業日報を活用していますか?

1.現場担当のエンジニア時代に活用していた作業日報

作業日報をコミュニケーションツールとして活用している現場は多いのではないでしょうか。

大手特殊鋼メーカーのエンジニア時代、

現場への業務上の連絡や依頼ごとは作業日報へ記入していました。

三交代勤務職場だったので、

シフト間での情報伝達をするに、

その現場では、従来から、作業日報を活用していたわけです。

シフトのリーダーが、

自分の担当シフトで発生したトラブルや故障、特記事項などを記入していました。

それに目を通せば、おおよそ前のシフトで何が起きたのかが把握できます。

現場担当エンジニアとして

設備の微調整や改善を実施したとき、

夕方に、その状況を特記事項として記入しておきます。

すると、夜のシフトのリーダーが

特記事項に対して回答をくれるので、

それを受けて、翌朝、さらに仕事を進められました。

正常に稼働していれば、

記入することがほとんどなく、

現場の調子がいい時、作業日報ノートは白紙が続いたものです。

新プロセスの設備を、

現場へ導入したときは、

立ち上がり時、トラブルが続き、

前夜に起こった

各種トラブルや設備停止に関する報告で

作業日報がびっしり文字で埋め尽くされた時期も経験しました。

毎朝、作業日報に目を通すのが辛かった思い出があります。

作業日報の使い方は、

現場の伝統のようなものがあり、誰が何を記入するかはいろいろです。

手書きでアナログ的な道具ですが、

デジタルな時代だからこそ、

その自由度故、今後も大いに活用する余地があります。

作業日報は、

トラブルや故障などの出来事を

次のシフトへ伝達する道具として、

多くの現場に定着しているのではないでしょうか。

せっかく定着している道具です。

仕事の質を高めるために、作業日報の使い方に工夫を加えませんか?

2.小さく回してPDCAの訓練をする(特にC)

現場改善は継続的な活動です。

マネジメントシステムでも継続的改善が求められています。

そこで、改善活動は、”日常的に少しずつ実績を積み上げていく活動”と考えるのです。

当然、期間限定、プロジェクト型で一気呵成にやってしまう改善活動もあります。

その一方で、

日常業務の如く、薄い紙を一枚、一枚積み重ねるように進める改善活動も進めたいのです。

ちりもつもれば・・・のように足腰がしっかりした成果が得られます。

ですから、日常的な改善活動の取り組みに、作業日報の活用を組み込むのです。

どんな小さなテーマでも構いません。

活動状況を記入していきます。

新たな治工具類を導入した、

外観検査のやり方を変えた、

作業場の照明を変えた、

安価な部品を採用した、

新たな工程指標を採用した、

毎朝30分ミーティングのやり方を変えた・・・。

まずは、各テーマについて、

事前にメモ程度でもいいので、

目的と期待できる効果、成果を記入しておきます。

そして、その結果を記入。

それから、

事前に記入した効果や成果と比べて

どうであったかを評価し、それで完了か、引き続きどうするか判断するのです。

多くは必要ありません。

1)テーマ

2)目的

3)期待効果、成果

4)評価

5)完了or引き続きの判断

メモ書きで程度でいいので、こうした事項を作業日報に記入し続けるのです。

現場は毎日、何らかの改善をやっています。

それまで口頭などで済ませていた確認を、あえて記録するのです。

記録することで、改善活動のPDCAをしっかり回す訓練になります。

さて、長年、製造の現場に身を置いて、

全体的にここが弱いよなぁと感じるのは、PDCAのうちのCの部分です。

PとDは多くの現場で、繰り返しやられています。

しかし、Cが欠けることが多いです。

つまり、やりっぱなしであることが多いと感じています。

そこで、目的や期待効果や成果をメモでもいいので記入しておくのです。

書いておけば、自然と実績を比較します。

現場の仕事のそのほとんどは「比べる」ことです。

基準値と比べる、標準作業と比べる、目標値と比べる・・・。

Cをやりたかったら、

実績と比べるものを事前に用意する必要があります。

PDCAは仕事のやり方の基本ですが、

このCのところが上手くできないと、仕事はやりっぱなしになるのです。

そこで、日々の改善活動を対象に、小さくてもいいのでPDCAを回します。

特にCの訓練をします。

小さな訓練を積み重ねて、大きなPDCAを回せるようにするのです。

小さなPDCAを回す仕組みを作りませんか?

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