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改善活動を後ろから進めますか?前から進めますか?

 

1.後ろから進める改善活動

顧客との接点である出荷工程から改善活動に取り掛かるのはひとつのやり方です。

現場でつい忘れがちな顧客への意識付けを高められます。

 

加えて、現場アンテナショップ化の観点でもはずせない論点です。

顧客や家族に

現場へ足を運んでもらうようになると、

製品の出口となる出荷工程に手を入れたくなります。

自分たちが形にした製品を見てもらうの場所が出荷場・発送場だからです。

 

組み立て品であろうが、部品であろうが、

自社製品を雑然とした現場へ

埋もれさせておくのは、

せっかく手間暇をかけた製品も、冴えないことおびただしいでしょう。

できれば、すっきり見せたいです。

また、製品が大切に扱われている状況を目の当たりにした顧客も安心します。

 

 

 

 

 

さて、まずは、出荷工程を整備できたと仮定します。

では、次、どうしますか?

 

ここからは、生産形態によって、2つの考え方があります。

生産の流れをつくることが生産管理の役割であり、流れの終着点が出荷工程です。

原材料は、

前工程から後工程へ進むに従い、

顧客へ届けたい情報が徐々に転写され、価値を高めます。

そして、最後にたどり着くのが出荷工程です。

 

その出荷工程へ製品を流入させるやり方は2通りあります。

1)引き出し式

2)押し出し式

 

引き出し式は、

出荷工程から市場に出ていく製品に合わせ、

下流工程が上流工程から必要な原材料、部品、半製品を引き取る方式です。

 

必要なときに、必要なものを、必要なだけ下流工程が上流工程から引き取ります。

いわゆるJITです。

 

この方式は、

ある程度規格化された製品を対象にした

「組み立て」工程が柱となっている現場で展開されます。

 

組み立てに必要な部品を、

組み立て工程に同期させて加工あるいは購入し準備するのです。

上流工程で部品加工、

あるいは外注や購入で部品を調達して、それらを統合し、組み立てます。

 

このような現場では、出荷工程から上流工程へさかのぼって改善を進めるのが効果的です。

組み立て工程では、前工程との連携があってこそ、JITが成立するからです。

 

後工程の問題は

前工程が原因となっていることが多いので、

後ろから改善を進めれば、

7つのムダのうち、作りすぎのムダや在庫のムダを最小限にできます。

 

出荷工程は市場と隣合わせです。

・出荷工程へ、市場から製品の要望が届く。

・出荷工程は、組み立て工程へ、その製品の組み立てを要望する。

・組み立て工程は、前工程から、その製品に必要な部品を引き取り、組み立てる。

・前工程は組み立て工程に引き取られた分の部品を加工、外注、購入するため、さらに前工程へ・・。

この引き取りの連鎖が引き出し式です。

前工程は自工程在庫の減り方から後工程や市場の動向を知ることができます。

 

改善活動は、

後ろの工程から進めるのがよいとの説明を、

しばしば、

生産管理の解説本で目にしますが、

前提は「組み立て」工程が柱となっている現場です。

万能の対応策ではないことに留意します。

 

 

 

 

 

2.前から進める改善活動

一方、中小の製造現場、

例えば金属加工業、樹脂成形業などでは、

いわゆる「部品加工」のみの製品も多いです。

 

原材料に複数の加工を加えて製品を仕上げます。

これらを部品として、顧客先の組み立て工程へ供給するのです。

 

この現場は原則、押し出し式です。

特注生産が多く、機能別レイアウトで、生産の流れは一通りではありません。

 

したがって、

ある程度規格化された製品で、

生産の流れが緩やかにでもパターン化

されていなければ、

出荷工程からさかのぼって改善を進める意味はあまりありません。

 

押し出し式による部品加工では、中日程および小日程計画の精度が全てです。

受注情報に基づいて

全体最適の日程計画を立てる仕事のやり方の構築が改善活動の柱となります。

 

押し出し式でも、

当然、

作りすぎのムダや在庫のムダはなくさなければなりません。

ただし、押し倒し式の中小現場が

直面している問題の多くは、

現場の余力が把握できないこと、

”今”の生産状況を把握できていないことなど、

日程計画に起因していることが多いです。

 

 

弊社では100人以下の中小製造現場を対象にして生産性を高める仕組みづくりをしています。

以下のような経営者の声が聞かれます。

・新規受注品の依頼が届くが余力が把握できていないので受注しても納期遵守できるかわからない。

・1~2週間先のスケジュールは把握できるが、その先がわからず新規品の納期回答ができない。

・新規顧客の開拓を進めたいが、余力が把握されていないので、どこまで拡販できるかわからない。

 

受注の機会があるのに、生かせない!というお話をお受けすることが増えています。

目の前に新規受注の機会があるのに・・・・、モッタイナイです。

 

 

 

したがって、

部品加工が柱となる押し出し式の現場では、

受注情報からスタートし、最短工程を組む仕事のやり方の構築がテーマとなります。

改善活動は前からです。

 

適切な工程を設計すること、各工程の工数を的確に見積もること。

そうして、

前から順に工数を積み上げ、

各工程の所要時間を評価し、

ボトルネックを認識したら、

その工程の山崩しをしていく・・・・。

こうして、現場の”空き”を確保していきます。

新規受注拡大を積極的に進める土台作りができるのです。

 

 

改善活動を、

後ろから進めるのか?

前から進めるのか?

製品や生産形態に応じて、これを判断をして下さい。

 

部品加工が柱となっている現場で押し出し方式を極める仕組みを作りませんか?

 

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