戦略的工場経営ブログ多品種化で注目したい2つの観点

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多品種化への対応力を高める活動、意図的に進めていますか?

1.多品種化への対応力を高める

削減の時代から、積み上げの時代へ変わった昨今、多品種少量化生産への対応力の有無が貴社の命脈をつなぐのに欠かせなくなりました。

顧客の要望が個別化しているので、多品種化への対応力は差別化につながります。

競争優位性を確立するために焦点を当てるべきテーマです。

多品種化は、経営者が意図的に進めたというよりも、顧客要望へ応えるうちに、結果としてそうなったということが多いのではないでしょうか?

したがって、現場での仕事のやり方、つまりモノづくりが、必ずしも多品種化に対応できていないことも多いと推察されます。

そうした現場は、モノづくりが組織的でなく、属人的な頑張りで乗り切っているような状態です。

問題が発生したら、大騒ぎになります。

しらべてみると、その製品については、現場のAさんしか、製品の流し方を知らなかった、というようなことが明らかになったりするからです。

多品種化の行きつくところは、マスカスタマイゼーション。

インダストリー4.0で描いているモノづくりの姿です。

多品種化への対応力を高める活動を、意図的に進めることが欠かせなくなっています。人時生産を高めるためです。効率良く、付加価値額を積み上げなければなりません。

組織的に人時生産性を高めるため、意図的に取り組む必要があるのです。

競合の後塵を拝してはいけません。

多品種化を全社活動に取り上げ、全社で柔軟性を高める取り組みを進めるのです。

圧倒的な「多品種少量生産」で、価格競争を回避します。

2.多品種化で注目したい2つの観点

多品種化の取り組みでは、「現場の負荷」へ焦点を当てます。

多品種化の本質を、「現場の負荷」で捉えるのです。

本来は、品種数で整理したいところですが、実際にその作業を始めると、貴社製品でも品種数を判断するのに困る事態に直面することでしょう。

品種をどこまでまで細かく分類するとか、どのようなグループ分けをするとか。結構複雑です。

製品の仕様から分類し、品種数を整理する仕事は、本来、重要な仕事です。

貴社独自の品種分類方法は、いずれ確立させたいことでもあります。

しかし、これをやっていると、いつまでたっても、現場活動を始められません。

時間を要します。

そこで、現場の負荷、つまり現場作業から分析するのです。

多品種化に関連して、着目したい観点は次の2つです。

1)段取り作業

2)多能工化

少品種多量生産では、製品別ラインにしろ、機能別ラインにしろ、現場で求められる作業内容はある程度、固定化されていきます。生産性向上では、固定化された作業をいかに的確に、効率よくこなすかに焦点が当たるのです。作業改善は、主にこうした視点に立っています。

一方、多品種化になると、現場で求められる作業が増えると同時に、品種切り替え作業も増えます。

したがって、段取り作業に焦点を当てるのです。具体的には、その回数と時間です。

貴社の現場では、段取り作業を、内段取りと外段取りを明確に切り分けていますか?

こうした観点も大切です。

多品種化では、まず、品種切り替えに関連した「現場の負荷」を分析します。

また、品種数が増えると、現場でこなすべき作業の種類も増えるでしょう。

汎用機に加えて、NC機も扱えるようになりたい。

組み立て作業に加えて、塗装作業も習得したい。

現場の人員数を増やさずに多品種へ対応するのに、多能工化は必然的なテーマです。

多品種化をテーマとするなら、現場の負荷に関連して、「段取り作業」と「多能工化」の2つに着目して下さい。現状分析をここから始めます。

例えば、「段取り作業」と「多能工化」の2軸のマトリックスで整理すると対応力の現状が見えてきます。

段取り作業と多能工化から多品種化を検討する仕組みをつくりませんか?

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