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多品種少量生産だからと言って、製造工程の見える化ができないと思い込んでいませんか?

 

1.多品種少量生産で工程表を作れるか?

生産計画はインプット、プロセス、アウトプットの3段階で構成されています。

生産3Mの計画、つまり、人員計画、設備計画、原材料計画がインプットです。

プロセスは手順計画、工数計画で明らかになります。

 

そうして、アウトプットが日程計画です。

生産活動の結果を事前に示したのが

日程計画であり、これは利益計画と紐づいていなければなりません。

 

少品種多量生産体制は規模の経済で利益を生み出します。

たくさん造って固定費を薄めるイメージです。

 

ですから、特定の品種をある一定量生産すれば利益はついてきます。

需要がたっぷりあって、造れば売れるのならこの戦略は正しいです。

 

しかし、こうしたモノづくり戦略でいける業種はまれでしょう。

多くの中小現場は多品種少量生産、変種変量生産です。

 

こうした生産形態では、

製品ごとの付加価値額を明確にしておくことが重要となってきます。

 

なぜなら、

値付けの決定権の多くは顧客側にあり、私たちの思い通りに価格が決まらないからです。

 

製品間での儲け代、言い換えるなら製品1個当たり付加価値額に差異が出てしまいます。

儲かる製品とあまり儲からない製品があるわけです。

 

儲かる製品の少量生産で利益を生むのか、

あまり儲からない製品を数量多くして、なんとか利益を生み出すのか。

これは経営者の意思決定できまることです。

利益計画と紐づけられた日程計画は、

経営者が利益の出し方を現場に示したものです。

 

こうした日程計画の前提となるのが、

手順計画であり、そこで準備されるのが工程表となります。

 

工程表で、

工程分析の結果をはじめ、

作業手順、設備、人員、治工具、製造条件、標準ロット数、標準時間などを整理します。

 

その製品を製造するのに必要な経営資源を全て洗い出すのです。

生産工程の見える化と言えます。

こうして、その製品を生産するのに必要な工数が見積もられ、現場の負荷が明らかとなります。

 

 

ただし、ここで注意すべきことがあります。

少品種生産なら、

品種が少ないこともあり、

整理された工程表は繰り返し、継続して活用できることが多いです。

繰り返し使うことで、貴社独自のモノづくりの「型」も明らかとなってくるでしょう。

工程表を整理する意義は大きいです。

 

しかし、多品種少量生産、変種変量生産では、とにかく種類が多くなります。

一つ一つ整理する暇が無いのが現実です。

さらに、いったん作っても、それでお蔵入りという製品も出てきます。

 

工程表は

工数計画や日程計画のベースとなる

重要な役割を果たしているわけですが、

多品種少量生産では、全て製品で整理することは、現実的な対応ではありません。

では、どうするか?

 

 

 

 

 

2.複雑なものは仲間分けする

グループテクノロジーという考え方があります。

 

「多種類の部品を

その形状、寸法、素材、工法などの

類似性に基づいて分類し、

多種少量生産に大量生産的効果を与える管理手法」

(生産管理用語辞典 日本経営工学会編)

 

つまり、似た者同士で仲間分けするのです。

多様性への柔軟性を確保しながら、

類似性に注目して加工部品や工程の集約を図ります・・・・。

 

と言うのは簡単ですが、なかなか骨の折れる仕事です。

この分類は、じっくりと腰を据えて取り組まなければなりません。

 

グルーピングのやり方で、その後の結果が変わるからです。

当然、一律の答えがあるわけではありません。

貴社独自の分類方法を考える必要があります。

 

ただし、こうした地道な仕事を通じて、

一見複雑に見える多品種少量生産にある規則性を見出すことができるのです。

 

それは、まさに、独自のノウハウであり、儲ける工場経営の肝になり得ます。

あの工場は、

あんなに多くの種類の製品を作っているのに

どうして生産性が高く、儲かっているのだろうか?

と、競合他社が首を傾げるのです。

 

その肝は貴社にしかわかりません。

 

このように、多品種少量生産では、

類似性に着目してグルーピングし、分類することを考えます。

 

そうすれば、工程表をグループごとに整理できます。

これは、マスカスタマイゼーションへつながる考え方です。

貴社独自のグルーピングを工場レイアウト、生産の流れを設計するのに生かせます。

 

この水準で工程表を整理することは、なかなかできないかもしれません。

しかし、大いにやる価値はあるのです。

 

 

 

板金加工現場の生産管理を担っていたとき、製品の工程を分析したことがあります。

見込生産品や受注生産品が混在して流動する、いわゆる、多品種少量生産の現場でした。

 

工程で整理すると、特定の工程(特定の設備)を経由する製品が多いことに気づきました。

(具体的には、タレットパンチングプレスとベンダーの設備でした。)

 

そうであるなら、

その特定の設備を隣り合わせにすれば、

中間仕掛を持つことなく流れるように生産できる・・・。

 

残念ながら、この案はアイデアどまりでしたが、見えてくれば、こうした工夫も浮かぶのです。

複雑なものは、分解し、分類して考えるのは定石とも言えます。

 

 

 

 

 

3.じっくり腰を据えられないのならベテランのコメントを整理する

こうした仕事は、じっくり腰を据えることが大切です。

片手間では、できません。

したがって、時間がかかるかもしれません。

それなら、

多品種少量生産の

工程表づくりを進める代わりに、

ベテランの知恵をピックアップすることから始めます。

 

メモでもなんでも、とにかく、ベテランの言葉を拾って、記録にしておくこと。

ノウハウでも、コメントでも、職人の意見を言語化するところからです。

 

まずは、現場のモノづくりを見える化することです。

手順計画とはモノづくりの手順、生産工程を見える化したものです。

工程表が成果物となります。

 

多品種少量生産の工程表をじっくり検討するしくみをつくりませんか?

 

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