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貴社の現場が市場や顧客へ柔軟に対応するためにできることはありませんか?

 

1.多品種製品で自然とセル生産方式になったときのこと

家電製品を中心に、比較的サイズが小さな製品で、セル生産方式が導入されてきました。

大手電機メーカーでの導入事例を多く見かけます。

 

コスト削減や生産性向上で、大きな成果を現場にもたらしました。

対象は、「組み立て」工程です。

 

従来、コンベアー上を流れるワークへ、コンベアーに沿って立つ作業者が部品を組み付けていました。

ライン生産方式です。

 

ワークがある一定距離流れると、完成品が出来上がります。

少品種多量生産時代の典型的な生産ラインのスタイルです。

 

”流れ作業”で効率を追求した生産方式であり、ドンドン流して、ドンドン販売します。

同一仕様製品を大量に組み立て、高い生産性を維持します。

 

そこから、多品種少量生産が求められる時代へ移行し、多くの現場で活用されたのがセル生産方式です。

設備投資が小さくて済みます。

 

さらに、経営者にとってありがたいのは、需要変動へ柔軟に対応できることです。

需要が増えればセルを増やします。

また、需要が減ればセルを減らせばいいわけです。

この柔軟性はライン生産方式では実現できません。

 

多品種品の組み立て工程の能率を上げようとするならば、自然とセル生産方式に至ります。

板金製品の生産管理を担っていた時、

箱型の住宅関連製品の組み立て工程を現場と検討したことがあります。

自然とセル生産方式に至りました。

 

その製品は、基本構造は同一ですが、サイズ違いで多品種となっていました。

板金加工をして塗装を施した後に、各種部品をリベット止めやカシメなどで組み立てます。

 

まず、組み立て作業の作業台を準備しました。

製品サイズが、500×500×3000程度のサイズです。

作業台の大きさは、その程度です。

 

そして、その作業台を取り巻くように、塗装済み部品を配置しました。

さらに、組付け用の購入部品を作業者の手元に集めました。

 

その作業者は、組立てるのに必要な技能を全て持っていました。

そこで、作業の流れを配慮して、各種部品と組み付け用部品を並べたのです。

 

作業者が、その場で手際よく組立て作業ができるコンパクトな現場が出来上がりました。

このとき、セル生産方式でいきましょう、と作業者と話をしていたわけではありません。

それでも、あれこれ進めるうちに、そうなったのです。

 

出来上がった現場では、多品種に柔軟に対応できることを実感しました。

作業台の周囲に配置する部品の置き方を工夫し、作業性を向上させる試みもしました。

なるほど、コストをかけずに柔軟性を高められます。

 

 

組立て工程がある中小の現場なら、検討をしたい生産方式です。

ただし、作業者が組み立てるのに必要な技能を全て有していることが求められます。

多能工化です。

 

セル生産方式では多能工化がカギとなります。

現場力が問われます。

 

 

 

 

 

2.制約を解消してセル生産方式を現場へ適用した事例

このセル生産方式で、多能工化以外の制約条件と考えられることがあります。

製品や部材の大きさです。

 

部材が大きいと、作業者の移動距離が増え、

作業動作も大きく、組み立て以外の「付帯動作」が発生します。

これらはムダです。

 

したがって、これまでは、

家電や産業機器を中心に、ある程度の大きさの製品に適用がとどまっていました。

 

 

日経ものづくり2017年7月号に、ホンダがタイに新設した工場が取り上げられていました。

完成車の組立工程に、新しい発想を取り入れたと言うのです。

セル生産方式のコンセプトを、ラインを導入しました。

投入した新しい発想の生産ラインは、ARC(Assembly Revolution Cell)です。

 

 

関係者によると、

「自動車工場にセル生産方式を応用して量産しているのは、世界でもARCラインだけ」

画期的な生産ラインです。

 

いよいよ、自動車の組立工程に、セル生産方式が導入されたようです。

生産性は、少なく見積もっても、10%は向上しているようです。

 

車といえば、今や、多品種少量の代表的な製品ではないでしょうか。

セル生産方式がピッタリです。

しかし、サイズの制約があります。

 

ホンダは、大きさの制約をどのように克服したのでしょうか。

大きく2つの工夫が紹介されています。

・組み付け作業の分割

・セル自体が循環

 

自動車1台当たりに配置する作業者は4人です。

フロント、リア、R側、L側。

作業者の移動距離を最小化するための工夫です。

 

さらに、画期的なのは、

車体が乗っている作業台が数珠つなぎになって、循環する仕組みであることです。

作業者4名を乗せた作業台が数珠つなぎで、作業者をのせたまま一定のルートで循環するのです。

 

セルを循環させれば、部品供給地点を固定できます。

大きな部品をセルへ移動させる必要がありません。

セルのほうが供給場所へ近づいてくれるわけです。

 

発想の転換です。

セル生産方式のメリットは

・多品種少量へ柔軟に対応できること

・需要変動に柔軟に対応できること

柔軟性です。

 

機動性や小回り性は、もともと、中小製造現場の強みです。

ですから、セル生産方式の発想を現場へ取り入れることで、中小の強みが強化されます。

 

変化への対応は、企業の宿命です。

特に、顧客や市場への変化へ適応できなければ、企業存続の命脈にかかわります。

 

貴社の現場へ今一度、見渡して下さい。

セル生産方式の発想を、現場へ加えられないでしょうか?

 

ホンダが部品サイズの制約条件を解消してまで現場に取り入れた生産方式です。

セル生産方式が、現場の柔軟性を高めるのに効果的であることの証左です。

 

貴社の現場へ、セル生産方式の発想を取り入れることを検討しませんか?

 

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