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貴社では、現場の「今」を把握する仕組みが整備されていますか?

 

1.日本の企業に今こそ変革が必要

国内製造業を管轄する経済産業省製造産業局長の糟谷敏秀氏は、国内製造業に変革が必要だと主張しています。

「現場の強みとか技術力が

付加価値につながっていない、利益につながっていない、つまり稼ぐ力になっていない。」

「IOTの時代に向けて日本企業に今こそ変革が必須」

(出典:日経ものづくり2016年3月号)

 

・IOTで現場の生産性を向上させる

・新技術を開発して新たな付加価値を生む

・儲かる工場へ変貌を遂げる

このような「変革」や「改革」をやり遂げるためには、前提条件があります。

 

「今」を知り尽くしていることです。

「標準」があるということです。

既存の生産ライン、設備を使い尽くすことも重要です。

また、イノベーションに向けた自律性を評価する風土も大切です。

 

 

標準化は現状維持のためだけでなく、イノベーションのためにも欠かせません。

 

イノベーションとは、現在と未来のギャップを埋め合わせることです。

現状と未来へ向けての目指すべき状態を相対化する必要があります。

 

まずは、自社工場の

モノづくり力や管理能力、人財力など、価値を生み出す経営資源を相対化、客観化します。

業界と比べて、あるいは競合他社と比べて、優位にあるのか、劣っているのか。

その水準を知るのです。

 

そこを基準にして、初めて目指すべき状態が相対化できます。

イノベーションの課題や効果を、ギャップとして評価できるのです。

 

ICTを活用したIOTはギャップを埋め合わせる道具に過ぎません。

「今」を把握していなければ、成果を出そうにも、技術上のキモが何か分からない状態です。

これでは、新技術を導入しても、残念な設備投資ということになりかねません。

 

このような状況に陥ることを避けるためにも、”今”を知ることが大切です。

「標準」が欠かせないというわけです。

 

 

 

2.目的をハッキリさせて、新技術を導入する

標準で「今」を把握し、相対的に目指すべき姿を描いて、ギャップを把握します。

ギャップが明確になってこそ、新技術導入が生きます。

 

糟谷氏は、目的をハッキリさせる必要性を次のように語っています。

IOTにしても

ビックデータや人工知能にしても、

技術や手段ですから、

何のためにこうした技術を使うのか、

という目的があって初めて技術の活用を検討する意味があります。

しかし、目的がハッキリしないままで、

「その技術をどうやっていれようか」についてご相談に来る方が増えていることを心配しています。

おそらくこうした新技術は

仕事のやり方を変えないで、

ただ入れても、往々にしてコストが増えるだけになります。

(出典:日経ものづくり2016年3月号)

2015年秋ごろから、糟谷氏のところへ相談する企業が増えているとのこと。

インダストリー4.0やインダストリアル・インターネットが話題に上り始めた時期です。

 

「社長からわが社でもIOTを検討するように言われました。

一体、何をしたらいいのでしょうか」

こうした相談者が多くて、糟谷氏は危機感を持っています。

 

私たちは、まず、下記を改めて、認識すべきです。

「IOTは、問題を解決するための手段や技術のひとつに過ぎない。」

ですから、IOT活用の目的を決めるのは経営者です。

 

 

糠谷氏は以下のように語っています。

だからこそ、

経営トップの意思や方針なしに、

スマート化を検討する、技術の導入を検討するのはナンセンスだと思います。

技術やITの担当者に任せる話ではありません。

(出典:日経ものづくり2016年3月号)

外部環境の変化に対応するのが企業の本質です。

 

ただし、外部環境が今後、どのように変化するかは誰にも予想ができません。

不確実性が高まっていきます。

将来に何が起きるかわかりません。

 

だからこそ、経営者の戦略的意思決定の重要性が増すのです。

目指すべき状態を設定するのは、経営者にしかできません

 

 

「今」を知るための仕組みづくりと、その強化がこれからも欠かせません。

経営者の意思決定を支える仕組みだからです。

 

 

 

 

 

3.現状を把握した経営者による意思決定が不可欠

糟谷氏が危機感を抱く背景に、ICTの進化によって製造業が「突然死」するリスクの高まりがあります。

なぜこうしたことを

申し上げているかというと、

ものづくりのIOT化やスマート化などが

進むことで、製造企業にとって「突然死」のリスクが増えているからです。

まり、これまで

競争相手と想定していなかった企業が突然、

争相手として現れて、売り上げをごっそり持っていかれかねない。

例えば米General Electric(GE)社の

航空機エンジン事業は、予知保全のサービスなどで利益を上げています。

このサービスによってエンジンが故障しなくなると、保険を掛けなくてよくなる。

その結果、保険の売り上げが減ります。

保険会社は、いつの間にか航空機エンジンのメーカーが競争相手になっているわけです。

(出典:日経ものづくり2016年3月号)

保険会社にとっては晴天の霹靂。

まさか保険業の競合が、メーカーから現れるとは想定をしていなかったことでしょう。

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逆にGE社は、顧客の困りごとに耳を傾け、こうしたニーズを把握し、事業展開したのです。

 

業界をまたにかけた戦いです。

経営者の意思決定によって展開されるものです。

 

新たな技術を導入することは、

新たな収益源を創り出すための努力であり

経営そのものなので、経営者の戦略的な意思決定が欠かせない、と糟谷氏は語っています。

 

 

そうした事業展開ができないと、

「突然死」する国内製造企業が出ないとも限らないことを、糠谷氏は懸念しています。

 

 

 

 

 

4.経営者の意思決定を支援する「今」を把握する仕組みづくり

これからは、IOTや人工知能(AI)の進化によって製造業の現場も大きく変わっていきます。

 

ただし、ここで欠かせない視点があります。

それは、技術の活かし方は、その工場独自であるということです。

 

つまり、中小製造業全般に、共通の、絶対的に正しい導入方法はないということです。

 

IOTや人工知能(AI)は、

あくまで、自社工場が持っているコア技術を生かすために導入するものだからです。

 

コア技術が違えば、当然、活かし方も変わります。

ですから、自社工場が有するコア技術の

「今」を理解していないと、

どんなに優れたIOTや人工知能(AI)を導入しても無用の長物になってしまうのです。

 

ですから、まず、現有のコア技術の相対的な水準を理解することです。

「今」を知ることです。

 

そして、将来的に、何を強化すれば現場が存続し成長し続けるのかを考えます。

 

その「今」を知っているのは、現場です。

ですから、今や、現場と経営者との情報共有が欠かせません。

 

現場が持っているあらゆる情報を見える化する一方で、経営者の情報も見える化する。

 

こうした仕組みを構築して、経営者と現場は、コア技術に関連した現場の強みを共有します。

現場も、経営者の想いを理解する機会が増えます。

 

その結果、経営者が適切に戦略的な意思決定ができる土壌が整備されていきます。

 

今、国内の製造業は、IOTやAI(人口知能)の進化に対応するための変革が求められています。

経営者は、収益源を創出するために新たな技術を導入する戦略的な意思決定をいます。

 

その意思決定が適切に行われるためには「今」を把握しなければなりません。

そのための仕組みの構築と強化が欠かせないのです。

 

 

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