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貴社には現場のやる気を評価するツールはありますか?


1.見える化の主な目的は状況の正確な把握と情報共有化

見える化の目的は2つです。

1)状況の正確な把握

2)情報共有化

 

現場が自律的に動くために必要な機能です

定量的なデータを手にすれば、主観によらず客観的な判断が可能です。

 

・状況を正確に把握するために定量情報を入手できる仕組み

・入手したデータを分析して、その結果を全員で共有できる仕組み

この2つの仕組みによって、見える化は発揮されます。

 

そのためには、QCDをはじめ、生産活動に関するあらゆることを定量化します。

見える化は、現場の自律性を促すのに欠かせません。

 

そして、見える化の対象は、こうした生産活動にとどまりません。

定量化しにくくても、儲かる工場経営に大切な項目は、見える化を図りたいです。

例えば、儲かる工場経営の源泉となる、現場から引き出されるやる気です。

極めて重要な要因です。

 

現場が仕事のことをどう考えているのか。

将来についてどう思っているのか。

心の内なるやる気はどの程度か。

 

現場のやる気を定量的に評価できれば、経営者は、多様な仕掛けを現場に仕掛けられます。

こうした、一見、見えないことを見える化する視点も欠かせません。

経営者と現場が双方で状況を認識するよいツールが手に入ります。

 

工場経営の指標の見える化とともに、現場のやる気の見える化も大切です。

 

同様なことに言及した経営者がいます。

 

 

2.ゴーン氏の見える化

日産自動車のカルロス・ゴーン氏です。

 

ゴーン氏が経営と財政危機に瀕していた日産の最高執行責任者に就任したのは1999年です。

日産リバイバルプランで日産をV字回復させた後もトップを務めています。

長期政権です。

 

日産の社内研修で若手が、ゴーン氏へ、下記の質問をしています。

「日産のトップを長く務めているわけですが、裸の王様にならないように工夫していることはありますか。」

「リーダーにはすばやく正しい情報が

上がる必要性があるわけですが、長期政権となるなかで、難しくなっている面はないのでしょうか。」

 

 

以下がゴーン氏の回答です。

事業をしていると、明確に問題があるかどうかは分かる。

ビジネスの指標は明快だ。

売上高、利益はプラスか。

自己資本は向上しているか。

いくつかの数値で分かる。

政治とは違う。

株主や消費者もみんな数値を追っている。

しかも常に激しい競争にさらされている。

ちゃんとした情報がないと正しい判断はできない。

そうなれば、会社は傾く。

裸の王様になることはできないと思う。

99年当時の日産は客観的な指標がなかった。

信じがたいことだが、会社を示す指標がなかったわけだ。

正確な従業員数を把握するのにすら2カ月もかかった。

CFO(最高財務責任者)もいなかった。

車種別の利益率など分からなかった。

数字がないから何も見えない。

唯一の手段は現場に行くしかなかった。

現在の日産は極めて健全な企業になった。

車ごと、市場ごとで詳細な数値が分かっている。

 

ただ、どのように従業員が思っているか、

戦略を理解しているか、モチベーションはどうか、を知るためには現場に行く必要がある。

幹部会議であるエグゼクティブコミッティーで、従業員の調査結果もみる。

それは不足の部分に目をやるために実施している。

スコアの悪いところ。

従業員が嫌な部分はどこか。

例えば組織の煩雑さがどこにあるのか、どうして従業員は文句をいっているのか。

今の日産にはツールはそろっている。

競争が一段と激化する中、裸の王様になっている暇などない。

フリクションもある。

会社は壁にぶつかる。

重要な決断をするには従業員のいっていることを把握しないといけない。

裸の王様などありえない。

(出典:2015年10月20日公開の日経Bizアカデミーの記事を再構成)

1999年当時の日産に客観的な指標がなかったというのは驚きです。

 

正確に従業員数が把握できない。

車種別の利益率も分からない。

信じられないことですが、見える化が全くなされていなかった。

したがって、数字がないから何も見えない、というゴーン氏の言葉はよく理解できます。

 

エンジニア時代、日産自動車と仕事をする機会が結構ありました。

ちょうど、ゴーン氏が日産自動車へ着任する前後のころです。

次期開発品のために神奈川県にある研究所に足を運ぶことがありました。

仕事は淡々とこなしていた感じです。

まさか日産自動車が、当時、それまでの苦境に陥っていたとは想像もしていませんでした。

 

”技術の日産”というキャッチフレーズでもわかりますが、それまでのトップは技術優先であったのでしょう。

したがって、経営上、見えない状況があってもあまり気にならない。

しかし、病気は進行していたというわけです。

気が付かなければ、行き詰る状況に陥るまで、その状況が放置されます。

 

日産自動車のような日本を代表する企業でさえ、こうした事態に陥ります。

ですから、中小製造企業は、先手必勝で、問題が発生する前に、手を打つ工場経営を目指したいです。

 

工場経営の指標の見える化で、経営者と現場は、常に、現況を客観的に把握します。

中小製造企業では、見える化の大切さを改めて理解したいです。

 

 

さて、ゴーン氏は、従業員のモチベーションも気にしています。

情報を得るためには、「現場へ行く必要がある」と語っているのは興味深いです。

 

モチベーションというあまりに人間臭い項目は、デジタル的には入手できません。

アナログ的なface to faceの現場での接触を通じて把握し、見える化を図ります。

やる気にかかわる指標の見える化は、簡単にできないことをゴーン氏は理解していました。

 

優れた経営者は人心掌握にも長けているとよく言われますが、まさに、そうです。

 

経営指標の見える化は重要です。

それと同様に、儲かる工場経営の源泉である現場のやる気の見える化も大切です。

経営者にとって重要な仕事であフォローと評価に関係してきます。

 

現場のやる気にかかわる指標を見える化するしくみをつくりませんか?

 

 

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